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2010年1月 アーカイブ

2010年1月 4日

チャリティカレンダー展

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企業などが配布しているカレンダー。いくつも使う訳ではないので不要な人にはゴミですが、それを必要な人の手に渡れば当然ながら大事なものに生まれ変わります。
そういう資源を有効に使おうというチャリティカレンダー展のお手伝いをし始めてもう何年経ったでしょうか。
捨てるのではなく有効に使ってもらいたいという願いをもたれた全国の方達から今年もたくさんのカレンダーや手帳が送られてきています。写真に写っているのはごく一部で開催期間中は毎日届きます。これを全部箱から出して並べるだけで一日かかりました。
今年は明日から11日まで西条プラザ(東広島市)で開催しているので、よろしければ足を運んでみてください。
大小関わらず全て1つ100円です。


そうそう、1月17日にポートレートの撮影&講習の企画を実施します。今回は広島市内の素敵な場所で開催できるよう調整中ですのでぜひご参加ください。後日詳細を公開しますが、今年は何回かいろんな撮影企画を実施する予定ですので、メールで開催情報希望と明記してお送りいただければ直接ご案内いたします。

2010年1月 6日

人の波

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写真はチャリティーカレンダー展、毎年恒例の初日の大混雑の様子ですが、まさに人の波。

たくさんの人にチャリティーにご協力いただけることに感謝しています。
ありがとうございます。

ひきつづき11日まで西条プラザにて開催(10:00〜20:00、最終日は17:00まで)していますが、開催期間中にも全国各地からどんどんカレンダー等が届くので、いつどんなカレンダーに出会えるかは判りません。それを楽しみに毎日来られる方達も多くいらっしゃいます。

私は毎年この時期に様々な写真や画が大量に目にすることで、また新たな創作意欲もかき立てられています。

構図の話

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写真を撮り始めて最初のうちはカメラのことを知ることから始める人は多い。そしてシャッタースピード、絞り、感度の組み合わせで画が撮れることに行き着く。それらの数値がごく自然に扱えるようになっていればカメラの扱いは慣れたもの。
講座を開くにあたってはこういう範囲のものがほとんどで、属にカメラ入門と言えるだろう。

そして構図。
構図...。一緒に撮影に行ってても悩む人多いです。

同じ場所で同じときに撮ったとしても、撮る人によって違う雰囲気をもつ画になるのは構図によるところが大きい。
まずはオートフォーカス(AF)でピントを合わせていると撮れやすい日の丸構図。これが悪い訳ではないですけど、そればかりだと変化がなくなってしまうよね。そして構図について一歩足を踏み込むと出てくるのが三分割構図。
そしてこの写真のように黄金分割の構図にする方法等、様々。

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構図を勉強しようとして写真関係の本等を見てもこういう配置に関することばかり。でも本当にこれでいいのかなと思っている。
実際はそこにあるものを構図に当てはめるのではなく、どういった印象をもつ写真を撮るのか、どう伝えたい写真を撮るのか....の一つの方法として構図という概念があるのだから。

だから、ちょっと違った構図の話をしよう。
人物を中央に置かず右側に配置することで左側に大きな空間ができる。視線が左に流れることでこの画に一つの方向に『流れ』が生まれている。これが『方流れ』という構図だ。
もし中央に人物を置いたらどういう見えるかを想像してもらいたい。それに比べるとスマートなイメージが込められているのが判ってもらえるだろうか。
外を見ているだけのシーンで、体のラインがゆるやかなカーブを描いているので緊張感の無い穏やかな雰囲気が出ている。そこで顔を垂直に立てるよりも少し傾けるほうが柔らな印象になり、体のラインで感じさせる雰囲気に合わせることができる。
そうしてできた一枚がこの写真だ。


1月17日にポートレートの撮影&講習の企画を実施。会場は広島市内のホテルのスイートルーム。モデルはAyamiちゃん。後日詳細を公開しますが、こうした企画を通して今回書いたような構図や表現の話を盛り込んでいくつもりです。
今年は何回かいろんな撮影企画を実施する予定ですので、メールで開催情報希望と明記してお送りいただければ直接ご案内いたします。

2010年1月 8日

ポートレート撮影講習会を開催します

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早いもので前回のポートレート撮影講習会から3ヶ月が経過。その間に開催したい思いはあったものの忙しすぎて都合がつかず、年が明けた今ようやく開催。今年は何回できるかな。

前回はどんな話をしたかというと、カメラの自動露出(AE)の仕組み、視度調整、適正露出、測光、画角やアングルによる表現の違い、撮影に対するアプローチなど多彩で、それはカメラの講習という感じではなく、ポートレートというジャンルだから必要なこと、撮影という行為に対して必要な知識や仕組みを実際の撮影を通して少しずつ学んでいただけるものでした。

今回は広島駅近くにある『ホテルセンチュリー21広島』のインペリアルスイートで開催。この空間を利用して、素敵な写真を撮りましょう。きっと目から鱗な撮影講習会になりますよ。
もちろん必要に応じて個々にカメラの操作のことにも対応します。
前回参加された方でも参加されていない方でも関係なく、カメラも一眼レフでもコンパクトカメラでも関係のない内容になるので、お気軽にご参加ください。
ただし若干名の募集ですので、お申し込みはお早めにお願いします。

今回のご案内はこちらに用意しましたのでぜひご覧ください。
このブログでもいろいろとお知らせしていきますね。

2010年1月 9日

光と影と陰

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さっそくポートレート撮影講習会へのお申し込みが届き始めています。ありがとうございます。

写真においては光に関する話はよく出てくるが、光が当たって明るくなる場所だけに意識が行き過ぎてしまうと意味が無い。撮影用照明を使っていても、なんでこういう使い方なんだろうと思うこともよくある。
ちゃんと見る目を養うには『カゲ』を意識した方が良いと思っているので、教えるときにはそう話している。

『カゲ』とは『影』と『陰』。
つまり光によって作り出される黒い形を意味する影。そして光が当たらない場所を意味する陰。
それに写り込む影やモノや人の陰なども含む。
詳しくは実際に比較しながらでないと説明はしづらいので、会って一緒に撮影をするときに話すしかない。

今回の会場となる部屋についてホテルの方にお伺いしたところ、西側に窓が並ぶらしく撮影講習会は午後だから自然光がしっかり入ってくることが期待される。だからこの自然光をメインの光源として活かすところから進めていくことになるだろうね。
何ステップかに分けて段階的に光をコントロールしていこう。


ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。

2010年1月10日

ホテルセンチュリー21広島

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ポートレート撮影講習会の打ち合わせで広島市内へ出かけてきたついでに、会場となるホテル周辺の駐車場などをチェック。

肝心な打ち合わせは別の場所で食事をしながらね。当日のスケジュールや申し込み状況を伝えたりしたあと、衣装・ヘア・メイクなどを話し合ってきた。
あと一週間、慌ただしくも楽しく準備を進めさせてもらいます。

ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。

2010年1月11日

エールエール

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福屋広島駅前店なんだけど、エールエールA館。
これ、県外から来た人は意味判るのかな。

エールエールはA館と地下広場があって、あとB館がまだ無い状態。A館のキーテナントが福屋さんで、専門店街も地下2階にあったりする。でもB館の建つ予定のBブロックや、愛友市場のあるCブロックはいつごろどうなるんでしょうね。

この場所にあった広島百貨店や、今は地下道だけど、陸橋を上って通っていたことを思い出す。
懐かしい。

ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。

レンズを知ろう

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レンズの話をするとしよう。
写真用のレンズには必ず何mmという焦点距離がある。ズームレンズだと何mm〜何mmという表記があるのはご存知だろう。
焦点距離の数値が50mmのものを標準と言い、それよりも小さいと広角、大きいと望遠と呼ぶ。

2006年に撮ったこの写真は、写真関係のイベントで知り合った娘に画角による違いを体験してもらうためにその場にあった『湯のみ』を撮って見せたもので、上が28mm相当、下が108mm相当で同じ器をだいたい同じような大きさに写るように撮ったものである。広角である28mm相当で撮ったものはカメラは器にかなり近づいて撮っていて、108mm相当の望遠で撮ったものはその距離は遠い。

何を示すかというと、この焦点距離の違い、つまりは撮れる画の角度の違いがこれほどまで形の違うものとして撮れてしまうということが言いたい。

『ん?』と思った方はぜひ試してみてほしい。

広角は広い範囲の背景が写るもので、望遠だと狭い範囲の背景しか写らないような図をよく見かけるが、一つの被写体だけを見るとこれほどまで変化するのだ。
商品撮影だとすると正しい形で撮れていなくては意味がないので下の写真のように望遠側で撮る必要があるが、それ以外では撮影者が自由に使えるレンズの効果だ。
このように近くのものから遠くのものまでを写真としてどう表現するかは画角による違いで工夫することができるのである。つまり焦点距離の違いによる表現方法というものだ。

では、これポートレートだとどうなるか判るかな?
実際これほどデフォルメすることは無いけれど、すごく効果的な使い方ができるのだ。


ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。

2010年1月12日

2スタイリスト

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今日はポートレート撮影講習会での衣装を決めた。

私からの要求は2パターンの衣装で、前半と後半でがらっと印象が変わるようにしたいということ。例えば『カジュアルとフォーマル』『コンサバとコンテンポラリー』のような感じ。そして色も素材も変わるように。
もちろんモデルの娘が嫌いな衣装では楽しさが減ってしまうので、いろいろと見て回りながら気に入った感じのものを教えてもらったり、私のほうからもいろいろと提案をしたりしていった。何点か候補をあげて、試着して、直しを入れたほうが良いもの、色違いのほうが似合うもの、素材のこと、アレンジのこと、色の組み合わせ、写真写りのことなど、いろんな話をしながら衣装選び。似合うことは当然だけど、より良く見えるように...ということに関しては結構話したな。
女性ポートレートを撮り慣れていない方も参加されているので、そういう方たちへの考慮して衣装をどういう順番にするかなども決めた。

4時間かかったけど、その間に私もいろんな発見ができたし、彼女もいろんなことに感心していた。今回は二人でスタイリストをしたような感じだったけど、こういう時間を共有することで前回よりもさらに良い撮影講習会になりそうな雰囲気になってきた。

さぁ明日はヘア&メイクの検討だ。


ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。関係者一同がんばっていますので、ぜひこの機会にご参加ください。

2010年1月13日

こだわるところ

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綺麗に撮ってもらえる機会には、とことん綺麗に写ってもらいたい。
だからちゃんと撮ろうとするときには、こだわるところはぐんと増える。実際に一緒に撮影現場を体験してもらうと判るのだが、たくさんありすぎるから書くのは大変。
ちょうど昨夜、衣装の話を書いたので今回は衣装に関係した話を少しだけ書いてみようと思う。

人を撮るときは、その人、場所、服装、持ち物があれば持ち物などが写真に収まることになる。場所によって大きくイメージは変わってくるのでロケーション選びも重要だけど、ここでは人そのものの話になる。人物撮影ではほとんどが着衣だから、肌が写る以上に服が写る。ここでは服という言い方をするよりも衣装と言おう。文字通り衣で装うのだ。それは肌を隠すためや体温を保つためのものという機能ではなく装うものという見方をする必要がある。表情やポージングなどで大きくイメージは変わるけど、その人の魅力を引き出すのに衣装の力は大きい。そしてロケーションと衣装に合わせたメイクやヘアメイクが加わることで益々綺麗になっていく。
どんな衣装を身につけていてもいつもどおりのメイクやヘアメイクというのではないというのが一つ大事な点だけど、それはまた今度書くことにしてここでは衣装の話に戻しておこう。

前回のポートレート撮影講習会では衣装が1パターンでメイクとヘアメイクが2パターンだったっが、今回のポートレート撮影講習会では前に書いた通り衣装は2パターンほど選んだ。これを選ぶにあたっていろんな意味を込めているが、その一つとして素材の違いがある。
簡単に言うと一つは光沢がないもので一つは光沢があるものだ。
同じ場所で同じように撮ったらどうなるかも実際に体験して、素材の違いをどう写真内で表現するかにもチャレンジしてもらうつもりだ。
ここに掲載した写真は黒いサテン地の衣装の一部を一般的な蛍光灯照明下で撮ったものだが、折シワを無くした状態(写真上)と、折シワが入ってしまった状態(写真下)の違いを比較しやすいようにしたもので、このようなシワ入ると衣装そのものの形であるはずのドレープが美しく無いのが判るはずだ。この手の生地はシワが入りやすいので、着て来るのではなく撮影前に着替えるようにしたり、撮影も座ってもらって撮るのと立ってもらって撮るのでは順番にも気を使う。もしこうなってしまっても、気にならないように光を選んだり、ポーズを変えたり、隠したりするなど、そういうところまで意識する必要がでてくる。
こういう素材でなくても衣服には必ずシワが入るものけど、そのシワの入り方によってはおかしく写るので、撮る直前でのシワの直しは当たり前のようにする。その他、ヨレ、ズレ、メクレなども同様で、糸くずやゴミが着いたらすぐにとったり、汗、メイク直し、ヘアメイク直しなども。
撮影現場にスタイリストさんやメイクさんが居るときはお任せするんだけど、そうでないときは無し...というわけにはいかないからね。
そのおかげか、撮影させてもらった人たちや一緒に撮影した人たち、受講された人たちからは毎回勉強になるって言われるようになった。

このように撮影するだけでなく現場でやることはたくさんあるが、事前に準備することも多くて、今回は機材準備やシナリオづくりだけでなく衣装の寸法直しもあるので準備期間ギリギリ。

ちょうどAyamiちゃんのほうも美容室でカラーが終わったようだ。着々と準備が進んでるな。
明日は美容師さんとヘア&メイクの打ち合わせだ。


ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。関係者一同がんばっていますので、ぜひこの機会にご参加ください。

2010年1月14日

ヘア&メイク

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 ヘアメイクとメイクアップを今回もまたハフリ美容室でお願いします。休業日なのに無理言ってすみません。(そういえば2回に1回は休業日にお願いしている気がする)
 撮影用ということをちゃんと理解して仕上げてくれるのでいつも助かります。おかげでアップでの撮影にもクオリティが出せるのは、こうして支えてくれる方がいるからこそだと思っています。
 ウェブに載せてある小さいサイズの画像を観るだけだとその差はたいして目立たないけど、大判にプリントしたものを観るとその差ははっきりと出てくるからね。だから今回のポートレート撮影講習会には、前回撮影撮りしたときの写真をプリントしたものを持っていこうと思っているので、参加される方は楽しみにしていてください。
 今日はその作品撮りをしたものを数枚持っていって撮影話をしたんだけど、すごく気に入ってもらえた。それと今回使用する衣装の写真を見せてヘアメイクとメイクをどうするかを話し合った。衣装決めしたときに考えていたイメージでいけそうだった。
 でも今回は会場でアシストしてもらえないので、メイク直しや後半のヘアメイクのアレンジは私がすることになるから、これまたお楽しみに。でもそういう現場を観る機会があるというのも、この講習会ならではのものかもしれないね。


ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。あと2名まで参加できますので、ぜひこの機会にご参加ください。

2010年1月15日

信頼という言葉

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 美容師さんとの話のつづき。
 前にも書いた通り私はこの方を信頼して頼めるし、まだまだ短い付き合いではあるけどいろんな濃い話ができる。それは多くの現場を経験されているし、多くの人を見てきているのは話していてすぐ判るだけの安心感があるからだと感じている。

 先日の作品撮りの成果の中から異なる雰囲気を持った写真を6枚だけ選びA4サイズにプリントしたものを観てもらいながら、
「どうしてこういう眼ができるの?」って訊かれた。でもそれに答えるより先に「信頼されているんだね」と続いた。
 何かを答えるはずだったのにその言葉が心に残る。そうだと嬉しいけどね。

 撮影講習会を前に、いい励みになった気がする。ありがとうございます。

 これまでモデルを務めてくれた人たちに癒されると言われることはあったけど、そういうことを言ってくれる人たちに私も癒されているんだけどね。

 このポートレート撮影講習会という企画では参加申し込みをいただいた方達に、希望する内容があれば知らせて欲しいとリクエストするようにしているが、毎回必ず、撮影のテクニックよりも会話の持っていき方や魅力の引き出し方といったコミュニケーション分野と、イメージの膨らませ方やアイデアの出し方やイメージしたものを実現する方法などといった発想や具現化の分野などを求めている方が来られています。
 もちろん露出・測光といった基礎から技術的なことを求めて来られる方も居ますよ。

 撮影をさせてもらうという関係での両者の接し方というのは、普通に人と接する以上に不安や疑心や誤解もあり得るし、緊張や駆け引きもある。だからこそ人を見る眼を養う必要もあるし、心を感じ取る感性も必要だし、行動の一つ一つも大切だと思っている。
 一応そういう内容にも触れる予定ではいるが、まずは観察眼が必要で、そして自分自身に知識や経験の引き出しがどれぐらいあるかという話になると思う。でも話だけでは面白くないので、これを実体験してもらうことも考えている。


ただいま2010/1/17のポートレート撮影講習会の参加受付中です。あと2名まで参加できますので、ぜひこの機会にご参加ください。

2010年1月18日

ポーズと構図

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ポートレート撮影講習会へ参加いただいた皆様、ありがとうございました。お役に立ったでしょうか。
これからしばらくの間、このブログではアフターフォローとして記事を書いていくので参考にしてみてください。

まずはこの写真を観て欲しい。
ポーズの違いしかない2枚の写真。ポーズ比較と言ってもよいのだけど、ここでは構図比較と言っておこう。
左右どちらが良い悪いではなく、体の使い方で伝わるイメージが変わるというものだから、左右片方ずつ隠してそれぞれの写真で感じたイメージを書き留めてもらいたい。思っただけでなく、言葉にしてみることでその違いがはっきりとするのでぜひやってみてほしい。


いくつ書けましたか?
その『感じる』ということがとても大切で、あるイメージを出したいときにポートレートの場合だとモデルにどうポーズをとってもらうと、よりその雰囲気を出せるかというノウハウに繋がっていくのだ。

イメージを思い浮かべるための発想力や想像力。
思い浮かべたイメージを再現する構築力や具現化するための能力。

こういうものが鍛えられる。
カメラを持っていなくても目にしたもの全てに何を感じるかを思い浮かべるようにすると、どんどん鍛えられる。


その場で観たり聴いたりすることで判ることはたくさんあるが、そういうことにも触れておこう。

立ち位置や足の扱いは簡単にこんな感じでと言うだけで上手くやってくれるんだけど、右手のドアノブの握り方。物を握ってというと普通は上から物を握る。つまり『わしづかみ』になりやすい。ドアノブの場合は上から掴むようなものではなく水平方向飛び出したものだからもうすこし手首をひねった柔らかい雰囲気で握ってはくれるが、空いてたドアのドアノブに手を触れたのではなく、今はドアを空けたところだから手首はもっとひねった向きにならないとね。ドアはドアノブはひねって開くものだから。

あとは髪の調整かな。髪はそのときそのときで随時直しているので、説明は割愛。

目をカメラの方に向けてもらう、つまり『目線をもらう』というのは、撮る人、撮るカメラ、撮るレンズを見てもらうというのではなく、できた写真を観る人と写っている人との関係を描き出すのだ。
例えば、あちらの部屋に行く彼女を呼び止めたシーンなのか、彼女が誘っているシーンなのかといったように。そう、『写らないもう一人』の存在を描くことができるのが、ポートレートの面白いところでもある。

このカットでは膝をついてカメラを構えているので、カメラ高さはモデルの腰位置ぐらいの高さ、つまり『ウエストレベル』で撮っている。これによりスタイルを崩さず撮れるのだが、モデルの手前の肩の位置が違うだけでダイナミックに印象が変わる効果もある。『写らないもう一人』との関係で観ると、こちらの部屋ではきっとソファかなにかにゆったりと座って目を合わせているのだろう。
もし立って撮っていたらどうなったかを想像してみてほしい。モデルの印象も変わるが、奥に見えている雰囲気が変わるので、全く違う印象になるだろう。

そしてこの部屋の水平垂直に合わせず、モデルの重心と線にカメラの垂直を合わせている。ここに居る人を撮るのではなく、ここにいる二人の視線を基準に撮っているのでこのほうが雰囲気がでると考えたからだ。

こうした場所を活かした撮影ではポーズは構図の一部。
ポーズ比較ではなく、構図比較という意味、御理解いただけたでしょうか。

2010年1月19日

ファーストインプレッション

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 この写真は今回のポートレート撮影講習会で撮影した写真を、トップページのイメージ用にトリミングして追加しました。

 これを撮影した時の話を書いておきます。

 講習の内容に入る前にまずは一人一人少しずつ撮影をしてもらっている。これは参加していただいた人たちの撮り方を観るためで、撮影場所の選び方、モデルの立ち位置、会話、カメラの構え方、アングル、目線など...いろいろなところを観させてもらう。
 一人目...二人目...と進み、全員が一通り撮り終わったあとに、私も同じように数回シャッターを切った。
 せっかくだから皆さんに「どこで撮ってみましょうか」と訊ねてみて指定されたのがカーテン近く。でも既にカーテン側で撮られている方も数人いらっしゃるし...と、そんなことを語りながら、その語ってる間に、やはりここは違う感じで撮ろうと思い、カーテンを意識しないでこの採光を使った部屋のイメージにしようと思いついた。
 まずやったことと言えば、窓を観ること。撮る場所からではなく普通に窓を端から端まで見渡してレースのカーテンのドレープを直した。レースのカーテンが少し乱れていたのは、電動の遮光カーテンを開閉したからでしょうね。
 そして近くにあったソファを窓際に置いたのだが、撮る方向だけはカーテンを直しながら決めていたのでソファの位置はほぼ決まっていた。窓が床まであるタイプではなく腰位置ぐらいの高さにある。ソファの背もたれの高さよりほんの少し高い位置になるので、ソファを窓際に近づけすぎるとソファ側面が暗くなり過ぎるため人が通れるくらい空けてある。
 あとはソファの向き。本来、壁に対して水平や垂直な向きに置いてあることが多いけど、ここでそう置くと窮屈な画になるので斜めに配置。
 一度撮影位置に行き、確認。概ねOKだと思ったので、モデルに座ってもらい、明るさを観る為に1枚撮影。そこから少しずつ指示しながら10枚ほど撮っていた。その中の8枚目だけど、撮影データの記録を見ると最初のショットからほぼ1分後だった。

 何をどう指示したかは内緒にしておきますが、実は私がここで感じたファーストインプレッションを話していただけです。

2010年1月20日

焦点距離と画角

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 この2枚の写真を撮った時の状況を説明すると、まずこの場所で撮ったのが左の写真。そして「なぜ望遠で撮ったのか」と訊かれたので、モデルの大きさが同じような感じになるように近づいて広角で撮ったものが右の写真。
 焦点距離でいうと35mm版換算で左は約70mm、右は約40mm。ちなみに前出の『ポーズと構図』で撮った写真は、この写真よりも後に参加者の方が撮られたさらに後に撮ったもので左右とも約60mmだった。カメラの高さはいずれもウエストレベル(腰位置ぐらいの高さ)だ。

 つまりこの写真は、左が『やや望遠』、右が『やや広角』で撮った写真と言える。
 これも同じように左右どちらが良い悪いではなく、焦点距離(画角)違いで画が変わるというものだから、左右片方ずつ隠してそれぞれの写真で感じたイメージを書き留めてみるとよいだろう。

 さらに前出の『レンズを知ろう』と同じ効果があるのも見て確かめてもらいたい。
 焦点距離が短くなればなるほど(広角になればなるほど)レンズの位置から近くにあるものは大きく遠いものは小さく写るので、パース(遠近感)が強くなる。右写真と比較しながら左写真のモデルだけを見るとスタイルよく少し迫力や威圧感があるように感じないだろうか。細かく見ていこう。ウエストレベルで撮っているので、腰を中心に頭の先や足先に向かって伸びたように写っているのが判るだろう。脚が長くなっただけでなく、手前の足も大きくなっている。右足と左足の大きさが全く違うことに気づけば、それがレンズからの距離の違いによるものなので、広角側で撮ったことがわかる部分だ。
 他に目を向けると壁にある照明スイッチのパネル(ここにあることが似合わないと感じたのであまり写したくなかった)の写り込みも大きくなっていることが確認できるし、ドアの隙間からチラリと見える向こうの部屋も写り方が全く異なるのが判るだろう。左右両足の僅かな距離だけでここまで大きさが違ってくるのだから、何メートルも離れているところにあるものはさらに小さく写るし、部屋内の違った位置が写るので向こうの部屋を想像しにくくなるのだ。この焦点距離(画角)で撮るならこの場合はもう少しドアを開けた方がいいことになる。

 この2枚と前の2枚、同じカットで似たような写真4枚ではあるけど、こうして比較するといろんな違いが感じ取れたのではないだろうか。
 ここで私が作りたかった画は、前に書いた通り、この娘と写らないもう一人との関係。それを扉を使ってドラマティックな演出を加える。二つの部屋を繋ぐ扉。扉を開こうとする彼女。明かりと灯り...。
 だからここにある左の写真を私は撮ったので、作品として出すとしたらこの1枚。あとの3枚は私の中では作品としては公開しない写真だけど、違いを説明するために撮ったからあえて載せている。

 今回、撮影講習会の最初に皆さんに言ったことがある。
「私はこう撮りなさいといういうことは講習では言わない。それをしても同じような作品にしかならないから、まずは自由に撮っていただいて自分自身の作風として、どこをどうすると良くなるかの話をします。」と。
 だから講習中は私が撮るときでもここでこんなイメージを持って撮っているということは語らずにいた。ただ撮影しようとしている位置からはこんな画が観えてますっていうのは知ってもらいたかったので、ここから観てくださいと誘っていた。

 イメージを語りながら撮るのは作品撮りのときぐらいしかないので、興味のある方は作品撮りの見学をしてください。

受講者作例を載せました

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 先日のポートレート撮影講習会に参加されたNAOさんからいくつか写真をいただいたので、受講者作例として掲載しました。

 さっそくブログ『NAONAO-Blog』のほうに参加された感想を書いていただいたようなので合わせてご覧ください。

 NAOさん、ご参加ありがとうございました。


 ここに載せた写真は皆さんが別室で最初の撮影をしていただいている間に撮ったもの。荷物の量も人それぞれでしたが、概ねカメラ1台にレンズ3本までといった感じでしょうか。Canon、Nikon、そして私がOLYMPUSでした。最初の撮影を終えて訊いたときには撮影したISO感度もみなさんバラバラでしたね。100〜6400ぐらいの幅がありました。

2010年1月26日

舞台技術ワークショップ

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 南区民文化センターでは舞台技術ワークショップと題して音響と照明を学べる機会を提供してくれている。以前から参加してみたいとは思っていたものの、日程が仕事とかぶることが多くてなかなか参加できなかったが、今回音響のオペレーターStep1コースを受講することができた。

 写真は他のホールでオペラの字幕の仕事をしたときに撮ったものだけど、こんな感じでホール後方にある調整室で音響や照明のスタッフの人と一緒に仕事をすることがある。こうして観る機会には恵まれていたが、実際専門的な知識がないとその仕事の内容までは判らないからこの機会にちゃんと勉強をしようと思って受講することにしたのだ。

 音のこと、音場のこと、PAの役割、機材の設置、結線、入力チェック、出力チェック、マイクセッティング、各種調整...いろんなことを学べた。なによりPAの役割とそれを実現する方法がちゃんと学べたことが大きい。実際にミュージシャンの方を相手に一人一人がリハと本番のPAを担当するという体験ができたことや、他の人がやるPAとの違いを知ることができたことは本当に役に立つ。
 今回参加してみて、いろいろと謎だった部分が解けただけでなく、受講中に新たにでてきた謎も解けていったことで、知識的には格段にレベルアップできたことを実感している。これから現場がもっと楽しくなるだろうな。あとは経験を積まないと得られないものがまだまだあるので、これから力をつけていきたいと思っているところだ。

2010年1月27日

彫刻

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 一つは大物。一つは小物。近々2つ彫る。

と言っても彫刻作品を作るのではなく額縁なので、これだけで完成ではなく額の中も含めたものになる。大物は額がメインで小物はその中身がメインだから全く違う物だ。

 ただしどちらも大切な人への贈り物。

だから時間がかかっても、買う方が安くても、その人のためにこの世に一つのものを作り出したい。

 それぞれ違う人に贈るものだが、どちらも楽しみにしてくれている。楽しみにしすぎているのも一人いる。私に作る時間があるように、相手にもこの待ち時間がある。人生からするとほんの一時だけど、一瞬ではないこの日々はきっとお互いの心に残るだろう。

2010年1月28日

紙風船

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紙風船』の案内をもらった。2月18日・19日か...行けるかな。

おもちゃ箱

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私、『おもちゃ箱のような』という印象だそうだ。
いままで『お医者さんみたい』『スーパーマン』『神様のような人』などといろいろ言われてきたが、とうとう...。

さて冗談はさておき、呉服の永藤さんでいろんな話をしてきた。着物が好きで、柔軟で、いい人たちで、なにやらおもしろいことができそうで、いい時間を過ごせた。

続報をお楽しみに。

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